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部屋が片づかない人へ|捨てられなくてもできる片づけの手順

— 収納を増やすと、かえって散らかります

この記事の出どころ
  • 研究で検討
  • 専門家・公的情報
出典を見る
画像枠/img/banner/katazuke-taisaku.webp1200×675px(@2x で 2400×1350px)「部屋が片づかない人へ」の記事バナー。収納を増やすと、かえって散らかります

ポイント

  • 片づかないのは、片づけ方を知らないからではなく、判断の回数が多すぎるから
  • 「捨てる/残す」の二択をやめて、「保留」を正式に認めると進みます
  • 目標は「きれいな部屋」ではなく「床が見える」。ここを下げると続きます
目次を開く(14項目)
  1. なぜ途中で力尽きるのか
  2. 【準備】始める前に決めておく3つ
  3. 【手順1】まず「捨てるもの」だけ拾う(30分)
  4. 【手順2】「3つの箱」に分ける(60分)
  5. 【手順3】箱の処理
  6. 散らかりにくい部屋の作り方
  7. 場所別|どこから手をつけるか
  8. よくある失敗パターン
  9. そもそもものが増える原因を止める
  10. どうしても自分でできないとき
  11. 続けるためのルールは1つだけ
  12. これは片づけの話ではないかも、というサイン
  13. まず今日、これだけやってみる
  14. この記事について

床にものが積み上がっている。どこから手をつけていいか分からない。何度か片づけたけど、そのたびに戻る。

そして、片づいた部屋の写真を見ると、しんどくなる。

先に言っておきます。片づけられないのは、やり方を知らないからではありません。 手順を書いた本を読んでも片づかなかった人が、この記事を読んでいると思います。

問題は別のところにあります。


なぜ途中で力尽きるのか

片づけは、「これは要るか」「どこにしまうか」の判断がえんえんと続く作業です。

ものが100個あれば、200回の判断をすることになります。判断はそのたびに頭を使うので、途中で必ず切れます。

そして切れた時点で、部屋は「片づけかけの状態」になります。元より扱いにくくなるんです。だから次はもっと手をつけにくくなる。

ADHDのある大人は、ものをためこみやすい傾向があり、それが「うっかりしやすさ」と結びついているという研究があります。だらしないから散らかっているわけではありません。

対策は1つです。判断の回数を減らします。


【準備】始める前に決めておく3つ

1. 目標を下げる

雑誌に載っているような部屋を目指すと、必ず挫折します。

目標は「床が見える」だけにしてください。テーブルの上が多少散らかっていても、床が見えていれば生活は回ります。掃除機もかけられます。

2. 時間を区切る

「今日中に全部やる」はやめてください。90分やったら終わりにします。タイマーをかけて、鳴ったら途中でもやめます。

途中でやめるのが不安かもしれませんが、力尽きるまでやるほうが、次に手をつけられなくなります。

3. 場所を1つに絞る

部屋全体をやろうとしないでください。今日は「床だけ」「机の上だけ」と決めます。

範囲が狭いほど、終わりが見えます。終わりが見えると、始められます。


【手順1】まず「捨てるもの」だけ拾う(30分)

いきなり整理を始めないでください。最初にやるのは、明らかなゴミを拾うことだけです。

  • 空き箱、包装、レシート
  • 期限切れの食べもの
  • 壊れているもの
  • 明らかに要らないチラシ

判断に1秒以上かかったら、飛ばしてください。 迷うものは今日は触りません。

ゴミ袋を持って部屋を1周するだけです。これだけで、体感はかなり変わります。量が減ると、続ける気力が出ます。


【手順2】「3つの箱」に分ける(60分)

ここからが本番です。判断を3つだけに減らします。

箱(または紙袋)を3つ用意します。

入れるもの
①使う今月使ったもの
②保留迷ったもの。ぜんぶここ
③捨てる明らかに要らないもの

床に落ちているものを、上から順にこの3つに分けていきます。

ポイントは3つあります。

1. 迷ったら必ず②に入れる。 迷う時間がいちばんの敵です。1秒迷ったら②です。

2. ②の中身は分類しない。 ぜんぶ同じ箱に入れます。分けようとした瞬間に、また判断が始まります。

3. 分け終わるまで、片づけ始めない。 「これはあそこにしまおう」と思っても、手を止めないでください。1個しまい始めると、そこで作業が止まります。


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部屋が片づかない人へ/【手順3】箱の処理

【手順3】箱の処理

③(捨てる)→ その場で玄関へ

袋を縛って、玄関か外に出してください。部屋の中に置いておくと、また開けます。

①(使う)→ 定位置を決める

ここで初めて「どこにしまうか」を考えます。ルールは1つ。

1動作で戻せる場所に置く

引き出しを開けて、仕切りをよけて、中に入れる——これは3動作です。必ず出しっぱなしになります。

掛ける、放り込む、置く。 この1動作で済む形にしてください。見た目より、戻しやすさを優先します。

②(保留)→ 封をして日付を書く

段ボールに入れて、ガムテープで封をして、外に日付を書きます。 押し入れか物置に入れてください。

そして半年後に開けます。開けずに済んだら、中を見ないで手放してください。

中を見るとまた判断が始まります。半年開けなかったという事実が、答えです。

捨てるのがどうしてもつらい人はものが捨てられない人へも読んでみてください。


散らかりにくい部屋の作り方

片づけたあと、散らかりにくい形に変えておくと、戻りにくくなります。

4. 収納を増やさない

収納用品を買うと、そのぶんものが増えます。入れる場所を作ると、入れるものが増えるからです。

いま持っているものが入りきらないなら、増やすのは収納ではなく、減らすのはものです。

5. ふたと扉をなくす

ふたつきの箱、扉つきの棚は、開ける動作が1つ増えます。それだけで戻さなくなります。

オープンな棚、ふたのないカゴにしてください。見た目は多少がちゃがちゃしますが、戻せるほうが大事です。

6. 「とりあえず箱」を公式に作る

判断できないものは、毎日出ます。それを床に置く代わりに、大きめのカゴを1つ、公式の置き場にします。

  • 分類しない
  • 週に1回だけ見る(見ない週があってもいい)
  • あふれたら、そのとき考える

散らかす場所を先に決めておくと、それ以外の場所が守られます。

7. 床にものを置く原因を減らす

床にものが増えるのは、たいてい「置き場所が遠い」からです。

床に置かれるもの近くに置き場を作る
上着部屋のドアの裏にフックを1つ
かばん座る場所のすぐ横にフック
読みかけの本ソファの横にカゴを1つ
充電ケーブル使う場所に挿しっぱなしにする
洗濯物部屋にカゴを1つ増やす

「使う場所のすぐ横」に置き場を作るのがコツです。

8. 郵便物を部屋に持ち込まない

紙は気づくと山になります。玄関にゴミ箱を1つ置いて、その場でチラシを捨ててください。

締め切りのある書類だけを部屋に入れます。書類の山を崩す方法は書類が山になっている人へに書きました。


場所別|どこから手をつけるか

部屋全体は大きすぎます。1回1か所にしてください。難易度の低い順に並べます。

玄関(いちばん簡単・15分)

面積が狭いので、達成感が早く来ます。最初はここからがおすすめです。

  • 靴を「今の季節に履くもの」だけ出す
  • それ以外は箱に入れて押し入れへ
  • 傘は使うものだけ残す
  • 床にものを置かない

玄関がすっきりすると、帰ってきたときの気分が変わります。 効果を実感しやすい場所です。

洗面所・お風呂(20分)

  • 使っていないシャンプーやサンプルを捨てる
  • 化粧品は期限切れを捨てる
  • 「いつか使う」は捨てる

判断が比較的かんたんな場所です。中身が減っているもの、使っていないものを捨てるだけで終わります。

机の上・テーブル(30分)

  • いま使っているもの以外を全部どける
  • ペンは1本だけ出す
  • 書類は「3つの箱」へ

机の上は、平らな場所なので必ずものが置かれます。 ここを空けておくと、生活の質がかなり上がります。

クローゼット・服(90分)

  • この1年で着たかどうかで分ける
  • 「痩せたら着る」は手放す
  • 迷ったものは保留箱へ

服は数が多いので時間がかかります。1回で終わらせようとしないでください。 上着だけ、Tシャツだけ、と種類を区切ると進みます。

服が多すぎて朝に選べない問題は朝、着る服が決まらない人へに書きました。

キッチン(120分)

  • 期限切れの食品を捨てる(ここだけで袋が1つ埋まります)
  • 使っていない調理器具を保留箱へ
  • 調味料を1か所にまとめる

在庫が見えないと同じものを何回も買います。 まとめるだけで、買い物のむだも減ります。

思い出のもの(最後・時間を決めない)

ここから始めると、必ず止まります。 いちばん最後にしてください。

手をつけない日があっても構いません。写真を撮ってから手放す、という方法もあります。


よくある失敗パターン

「まず収納用品を買いに行く」

いちばん多い失敗です。買い物に行った時点で、その日の体力は終わります。そして箱だけが増えます。

手持ちの紙袋と段ボールで十分です。 買うのは、片づけ終わってサイズが分かってからにしてください。

「思い出のものから始める」

アルバム、手紙、昔の趣味のもの。ここから始めると、写真を眺めて2時間が過ぎます。

判断が軽いものからです。

「途中で掃除を始める」

片づけと掃除は別の作業です。片づけの途中で棚を拭き始めると、そこで作業が止まります。

今日は片づけだけ。 掃除は別の日にしてください。

「全部やろうとする」

範囲を決めずに始めると、どこまでやったか分からなくなって、途中で終わります。

今日は床だけ。今日は机だけ。

「捨てる/残すの二択にする」

これが最大の原因です。取り返しのつかない判断を100回連続で求められたら、誰でも止まります。

保留を認めてください。 逃げではありません。


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部屋が片づかない人へ/そもそもものが増える原因を止める

そもそもものが増える原因を止める

片づけても、入ってくる量が多ければまた埋まります。

  • 1つ買ったら1つ手放すと決める
  • 「安いから」で買わない
  • ネットショッピングをカートに入れて1日おく
  • もらいものを断る練習をする(頼まれごとを断れない人へ
  • 無料のサンプルやノベルティをもらわない

買いすぎてしまう人は衝動買いが止まらない人へも見てください。


どうしても自分でできないとき

人に手伝ってもらう

一人でやると、途中で止まります。誰かがいるだけで進むことがあります。

  • 友だちに来てもらう(作業はしてもらわなくていい。いてもらうだけ)
  • ビデオ通話をつないだまま、それぞれ片づける
  • 家族に「30分だけ一緒にいて」と頼む

お金で解決する

  • 家事代行(1回2〜3時間、5,000〜10,000円くらい)。片づけまでやってくれるところもあります
  • 不用品回収。量が多いときは、これがいちばん早いです
  • 整理収納の専門家。一緒に判断してくれる人がいると進みます

お金を使うのは甘えではありません。 何年も手をつけられずにいるより、はるかにいいです。

自治体のサービスを調べる

高齢の家族がいる、生活が立ち行かないなど、条件によっては自治体の支援が使えることがあります。市区町村の福祉の窓口で聞いてみてください。


続けるためのルールは1つだけ

片づけたあと、維持のルールをたくさん決めると、どれも守れなくなります。

「床にものを置かない」。これだけにしてください。

他は諦めてかまいません。テーブルの上が多少散らかっていても、床が見えていれば生活は回ります。

そして、1日5分だけ、床のものを拾う時間を作ります。

「寝る前に歯をみがいたら、床のものを拾う」

何かの動作のあとにくっつけると、忘れにくくなります。1日抜けても終わりではありません。

くわしくは片づけてもすぐ元に戻る人へへ。


これは片づけの話ではないかも、というサイン

次に当てはまる場合は、片づけの工夫より先に相談したほうがいいです。

  • 寝る場所・台所・お風呂が使えない
  • 捨てようとすると強い苦しさや怖さがある
  • 家族との関係が壊れかけている
  • 火事や衛生の危険がある

恥ずかしいことではありません。 ためこみが強い場合は、医療的な支援が必要なことがあります。

相談先・公的窓口から、相談できる場所を探してください。


まず今日、これだけやってみる

  1. ゴミ袋を1枚持って、部屋を1周して明らかなゴミだけ拾う(15分)
  2. 床のものだけ、3つの箱に分ける(30分)
  3. 迷ったものは全部「保留」の箱へ。封をして日付を書く

これだけで、床は見えるようになります。きれいにする必要はありません。使える状態にするだけです。


この記事について

ADHDのある大人は、ものをためこみやすい傾向があり、それが「うっかりしやすさ」と結びついているという研究があります。散らかっているのは、だらしないからではありません。

また、作業を切り替えるときには手間がかかることも研究で整理されています。「どこにしまうか毎回考えるのがつらい」という実感には裏づけがあります。

ここに書いた手順は、その知識をもとに組み立てたものです。全部が研究で確かめられているわけではありません。 合わないものは飛ばしてください。

部屋のことで生活がまわらない、家族との関係がつらい、という状態が続くときは、一人で抱えないで専門家に相談してください。相談できる場所は相談先・公的窓口にまとめています。

とら先生のひとこと

きれいに片づけようとすると、途中で力尽きて前より散らかります。あるあるです。まずは「床にものを置かない」だけを目標にしてください。

この記事の出どころ

研究で検討
論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
専門家・公的情報
厚生労働省などの公的な機関や、専門家が出している情報をもとにしています。
  1. 研究で検討ADHDでのため込み傾向の高さ:不注意との特別な結びつき

    (原題:Elevated levels of hoarding in ADHD: A special link with inattention)

    Morein-Zamir S, Kasese M, Chamberlain SR, et al./2022/Journal of Psychiatric Research 145, 167–174(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:片付かないことを「だらしなさ」ではなく不注意と結びつけて説明できます。

    ここはまだ分かっていません:どの片づけ方がよいかを調べた研究ではありません。

  2. 研究で検討作業の切り替えについて

    (原題:Task switching)

    Monsell S/2003/Trends in Cognitive Sciences 7(3), 134–140(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。

  3. 研究で検討大人の注意欠如多動症の認知行動療法(考え方と行動を整える心理的な治療)

    中島美鈴/2024/総合病院精神医学 36(3), 200–210(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:整理・計画・先延ばしを「性格」ではなく介入対象として扱う枠組みを示せます。

    ここはまだ分かっていません:レビューであり、個々の生活術の効果量を示すものではありません。

  4. 専門家・公的情報まもろうよ こころ(相談窓口一覧)

    厚生労働省/2026(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:緊急性のあるときの案内先として使えます。

    ここはまだ分かっていません:サイトの記事は相談・受診の代わりになりません。

制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。

合わなかったら、別のやり方を試してください

ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。