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同時に2つ以上の仕事があると頭が真っ白になる人へ

— 同時にやらない形に、仕事のほうを組み替えます

この記事の出どころ
  • 研究で検討
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画像枠/img/banner/multitask.webp1200×675px(@2x で 2400×1350px)「同時に2つ以上の仕事があると頭が真っ白になる人へ」の記事バナー。同時にやらない形に、仕事のほうを組み替えます

ポイント

  • 同時にやるのが苦手なのではなく、切り替えるたびに負担がかかっているだけです
  • まとめてやる・順番にやる・記録に逃がす、の3つで同時進行を減らせます
  • 「マルチタスクができない」は、仕事の配置を相談する材料になります
目次を開く(16項目)
  1. そもそも人間は同時にできていない
  2. 【方法1】まとめてやる
  3. 【方法2】順番にやる
  4. 【方法3】同時にやらない形にする
  5. それでも回らないときは、配置の相談を
  6. 頭の中から外に出す
  7. 仕事選びのときに見るところ
  8. 自分が割り込む側になっているとき
  9. 割り込みを減らす
  10. 中断されたときの戻り方
  11. 「同時にやったほうが早い」が成り立つ場面
  12. 場面別
  13. 一日の中で「切り替えの回数」を減らす
  14. 「今やっていること」を見えるようにする
  15. まず明日、これだけやってみる
  16. この記事について

電話をしながらメモを取ると、内容が飛ぶ。作業中に話しかけられると、さっきまで何をしていたか分からなくなる。案件を3つ同時に抱えると、どれも進まない。

そして「マルチタスクが苦手で」と言うと、「みんなそうだよ」と流される。

程度がちがうんですよね。 この記事では、同時にやらなくて済む形に組み替えるやり方を書きます。


そもそも人間は同時にできていない

まず知っておくと気がラクになる話です。

人は本当は同時に2つのことをやっていません。 高速で切り替えているだけです。そして、切り替えるたびに手間がかかることが研究で整理されています。

つまり「マルチタスクが得意な人」というのは、切り替えのコストが小さい人であって、同時にやっているわけではありません。

ということは、対策は1つです。切り替える回数を減らします。


【方法1】まとめてやる

同じ種類の作業を1か所に集めます。切り替えが減るので、同じ量でも消耗が減ります。

1. メールとチャットの時間を決める

一日中通知を見ていると、そのたびに切り替えが起きます。

「10時、14時、17時に見る」のように決めて、それ以外は通知を切ります。

「すぐ返さないと」と思うかもしれませんが、実際には3時間以内に返せば問題ないことがほとんどです。急ぎの人は電話してきます。

2. 電話をかける時間をまとめる

かける必要のある電話を、1日1回まとめてかけます。「16時は電話タイム」のように決めておくと、そのたびに構える必要がなくなります。

3. 会議を同じ日に寄せる

可能なら、会議のある日とない日を分けます。会議が細切れに入っている日は、その日まるごと何も進みません。

「会議は火曜と木曜にまとめたい」と相談してみる価値はあります。

4. 同じ作業をまとめる

  • 書く作業(資料、メール、報告)
  • 数字を扱う作業(入力、計算、確認)
  • 人と話す作業(会議、電話、相談)

種類ごとにまとめると、頭の使い方を切り替えずに済みます。

5. 午前と午後で分ける

「午前は書く、午後は打ち合わせ」のように、大きく2つに分けるだけでも効きます。


【方法2】順番にやる

複数の案件を抱えているときのやり方です。

6. 「今日は1案件」と決める

3つの案件を毎日少しずつ進めるより、1日1案件のほうが速く終わります。

月曜はA、火曜はB、水曜はC。こうすると、頭の中に入れておくものが1つで済みます。

7. 進行中のものを「見えないところ」に置く

やりかけの資料を机に出しっぱなしにすると、目に入るたびに気になります。

いまやっていないものは、しまってください。 パソコンなら、使っていないウィンドウとタブを閉じます。

8. 「次にやること」を1行残してから離れる

案件を切り替えるとき、次の一手を1行だけ書いてから離れます。

「次:3章の図を差し替える」

これがあると、戻ったときに「どこまでやったか」を思い出す作業が消えます。思い出す作業がいちばん重いので、ここを省けるのは大きいです。

9. 案件ごとにフォルダとメモを1つずつ持つ

頭の中で管理しないでください。案件ごとに、

  • フォルダ1つ
  • メモ1枚(やること、待っていること、次の一手)

これがあると、切り替えたときに全部そこに書いてあります。


【方法3】同時にやらない形にする

そもそも同時進行が発生しない形に変えます。

10. 電話中は入力しない

電話しながらパソコンに入力すると、必ずどちらかがミスします。

電話中は紙にメモだけ。 切ってから入力します。メモは汚くて構いません。

11. 話しかけられたら手を止める

作業しながら聞こうとすると、両方が中途半端になります。手を止めて、相手を見て聞く。

そのほうが結果的に速いです。聞き直しが減るので。

12. 「いま手が離せない」と言っていい

「いま作業中なので、10分後でもいいですか?」

これは失礼ではありません。中途半端に聞いて間違えるほうが迷惑です。

割り込みへの対処は話しかけられると作業が全部飛ぶ人へにくわしく書きました。

13. 会議中はメモに専念する

会議中に別の作業をしようとすると、両方失敗します。メモだけに集中して、あとで処理するほうが確実です。

会議の内容が入ってこない問題は会議の内容が頭に入らない人へへ。


それでも回らないときは、配置の相談を

工夫で埋まらない差はあります。そのときは、仕事のやり方そのものを相談するという手があります。

言い方は「マルチタスクが苦手です」ではなく、具体的な場面で言うのがコツです。

「電話を受けながら入力すると、数字を間違えることが何回かありました。電話の担当を分けるか、メモしてから入力する形にできませんか。」

「案件を3つ同時に持つと、どれも遅れてしまいます。2つまでにしていただけると、期限を守れます。」

「できません」ではなく「こうすればできます」の形にすると通りやすくなります。国内の論文でも、配慮は診断名ではなく本人の困りごとと実際の仕事に合わせて決めるべきだとされています。

くわしい伝え方は職場に「これがつらい」と言えない人へに書きました。


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同時に2つ以上の仕事があると頭が真っ白になる人へ/頭の中から外に出す

頭の中から外に出す

同時進行がつらいのは、覚えておくものが多いからでもあります。全部外に出してください。

「待ち」を書き出す

自分が止まっているのではなく、誰かの返事待ちで止まっているもの。 これを覚えておくのが地味に重いです。

案件誰の何をいつから
A社の見積田中さん単価の確認8/25
社内申請総務承認8/26

この表があるだけで、頭の中がかなり空きます。

そして「そろそろ催促したほうがいいもの」も一目で分かります。

思いついたことは全部メモに逃がす

作業中に「あ、あれもやらなきゃ」と思ったら、その場でメモに書いて、いまの作業に戻ります。

書かずに覚えておこうとすると、そちらが気になって手が止まります。

リストは1つにする

複数のアプリ、複数の紙にタスクが散っていると、それ自体が同時進行になります。 入口は1つにしてください。


仕事選びのときに見るところ

転職や部署異動を考えるなら、次の条件を見てください。

負担が大きい条件負担が小さい条件
電話が多い電話が少ない・担当が分かれている
割り込みが多い自分のペースで進められる
案件を同時に多数持つ1件ずつ担当する
締め切りが常に複数締め切りが1つずつ来る
予定が細切れまとまった時間が取れる

同じ職種でも、会社によってまったくちがいます。 求人票より、面接で「1日の流れ」を聞くほうが分かります。


自分が割り込む側になっているとき

割り込みは、自分も他人にしています。お互いに減らせると、職場全体がラクになります。

  • 質問はまとめて、1日1回にする
  • 「いま大丈夫ですか?」と一言聞いてから話す
  • 急ぎでないことはチャットにする
  • チャットでも「@」をつけるかどうかを考える

「急ぎでなければチャットで、急ぎなら声で」というルールをチーム内で決められると、かなり静かになります。


割り込みを減らす

同時に進めることになる原因の多くは、割り込みです。

通知を切る

  • メールの新着通知
  • チャットの通知
  • スマホの通知全部

まとめて見る時間を決めて、それ以外は切ります。 「10時・14時・17時にメールを見る」のように。

くわしくはメールの返信がどんどんたまる人へへ。

「あとで」と言う練習

声をかけられたとき、その場で対応しない言い方を持っておきます。

「これが終わったら伺います。10分後で大丈夫ですか。」

断っているわけではありません。 順番をずらしているだけです。

見えるところに「作業中」を出す

在宅ならチャットのステータス、職場なら小さな札。言わなくても伝わる仕組みがあるとラクです。


中断されたときの戻り方

割り込みは、ゼロにはできません。戻れるようにしておくのが現実的です。

中断する前に1行書く

席を立つ前、電話に出る前に、「次にやること」を1行書きます。

「次:見積もりの3行目から」

これがあると、戻ったときにゼロから思い出さずに済みます。

開いていた画面をそのままにする

閉じてしまうと、探すところからやり直しです。そのまま置いておくのがいちばん速い復帰方法です。

戻ったら、まずメモを読む

いきなり作業を再開しない。メモを見る、というワンクッションを入れてください。


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同時に2つ以上の仕事があると頭が真っ白になる人へ/「同時にやったほうが早い」が成り立つ場面

「同時にやったほうが早い」が成り立つ場面

例外もあります。片方が待ち時間の場合です。

  • 印刷しているあいだにメールを読む
  • 洗濯機を回しているあいだに片づける
  • ダウンロード中に別の作業をする

「自分が手を動かさなくていい時間」に別のことを入れるのは、切り替えではありません。 これは効率が上がります。

逆に、両方とも頭を使う作業を並べると、必ず遅くなります。


場面別

電話しながらメモを取る

聞くと書くを同時にやるのがつらい人は多いです。

  • 録音の許可をもらう
  • 「あとでメールでいただけますか」と頼む
  • キーワードだけ書いて、切ってから清書する

会議に出ながら作業する

どちらも中途半端になります。 出るなら出る、出ないなら出ない。

出る必要のない会議は、議事録だけもらえないか相談する価値があります。

家事

  • 料理しながら洗濯をたたむ → 焦げます
  • タイマーで区切って、1つずつのほうが結局早いです

育児しながらの仕事

物理的に切り替えが発生し続けます。まとまった時間を作るしかありません。

  • 早朝や夜に1時間だけ確保する
  • 一時保育や家族を頼る
  • 細切れでもできる作業を、その時間用に分けておく

一日の中で「切り替えの回数」を減らす

同じ種類の作業をまとめると、切り替えが減ります。

  • メールは1日3回、まとめて処理
  • 電話は午後にまとめる
  • 買い物は1回で済ませる

「まとめる」だけで、疲れ方がかなり変わります。

くわしくは作業を切り替えるたびに疲れる人へへ。


「今やっていること」を見えるようにする

同時に抱えていると、どれが途中か分からなくなります。

  • 今やっていることを、紙に1つだけ書いて机に置く
  • 終わったら消して、次を書く
  • 抱えているものは別のリストに置く

目の前にあるのは1つだけという状態を、物理的に作ってください。

くわしくは何から手をつければいいか分からない人へへ。


まず明日、これだけやってみる

  1. メールとチャットの通知を切って、見る時間を3回決める
  2. 作業を切り替えるとき、「次にやること」を1行書いてから離れる
  3. 電話中は入力せず、メモだけにする

1つめだけでも、一日の消耗がかなり変わります。


この記事について

作業を切り替えるときには手間がかかることが、研究で整理されています。これは特性のあるなしに関係なく、誰にでも起きることです。「同時にできない」のは、あなたの能力の問題というより、人間の作りの問題でもあります。

職場での配慮については、診断名だけで決めるのではなく、本人の困りごとと実際の仕事に合わせて決めるべきだと、国内の論文が述べています。働きやすさには、仕事の手順や環境も関わるという研究もあります。

そのうえで、ここに書いた具体的なやり方は、全部が研究で確かめられているわけではありません。 職場によって合う・合わないがあるので、使えそうなものだけ使ってください。

仕事の量ややり方が合わなくてしんどい状態が続くときは、一人で抱えないで専門家に相談してください。相談できる場所は相談先・公的窓口にまとめています。

とら先生のひとこと

「マルチタスクが苦手なんです」と言うと「みんなそうだよ」と返されがちですが、程度がちがうんですよね。程度の話は伝わりにくいので、具体的な場面で話すのがいいです。

この記事の出どころ

研究で検討
論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
  1. 研究で検討作業の切り替えについて

    (原題:Task switching)

    Monsell S/2003/Trends in Cognitive Sciences 7(3), 134–140(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。

  2. 研究で検討合理的配慮(働きやすくするための調整)に基づく就労支援

    発達障害研究掲載論文/2020/発達障害研究 41(4), 276–287(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:配慮は診断名でなく本人の困りごとと職務に合わせて決める、という原則を示せます。

    ここはまだ分かっていません:個別の配慮メニューの効果を比較した研究ではありません。

  3. 研究で検討「車いすの人にとってのスロープのようなもの」:自閉スペクトラム症のある従業員にとっての職場の使いやすさ

    (原題:"It’s like a ramp for a person in a wheelchair": Workplace accessibility for employees with autism)

    Waisman-Nitzan M, Gal E, Schreuer N/2021/Research in Developmental Disabilities 114, 103959(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:物理環境・手順・人の3つが働きやすさを左右すると整理できます。

    ここはまだ分かっていません:聞き取りをもとにした研究であり、配慮の効果量を示すものではありません。

  4. 研究で検討「もし〜なら〜する」と先に決めておく方法が目標達成に与える効果の研究をまとめた分析

    (原題:A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment)

    Wang G, Wang Y, Gai X/2021/Frontiers in Psychology 12, 565202(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:行動を「場面」と結びつけて決めておく方法に一定の効果があると言えます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASDだけを対象にした研究ではありません。一般の人向けの知見を当てはめています。

制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。

合わなかったら、別のやり方を試してください

ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。