洗濯物がたまっていく人へ|干す・たたむで止まる問題
— 工程が4つあるから、どこかで止まります
ポイント
- 洗濯は4工程あります。どこか1つで止まると、全体が止まります
- 「たたむ」は省略できる工程です。掛けるだけにすると回りやすくなります
- 乾燥機は工程を2つ減らします。家事のなかでは投資効果が大きいです
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洗濯機の中に濡れた洗濯物が入ったまま2日経った。干したものが数日そのまま。取り込んだ山がソファに積まれている。
そして着る服がなくなって、洗っていない服を着る。
洗濯が回らないのは、工程が多いからです。
4つの工程、それぞれの詰まり方
| 工程 | 詰まる理由 |
|---|---|
| ①洗う(入れて回す) | 仕分けが面倒、洗剤の補充を忘れる |
| ②干す | 回し終わりに気づかない、干す場所まで運ぶのが遠い |
| ③取り込む | 取り込むタイミングを決めていない |
| ④たたんでしまう | いちばん面倒。ここで止まると山になる |
そして工程間の移動のたびに、注意の切り替えが起きます。 切り替えには手間がかかることが研究で整理されています。
4工程あるということは、切り替えが3回発生するということです。どこかで止まって当然です。
【いちばん効く1つ】工程を減らす
「たたむ」をやめる(今日からできる・0円)
たたまなくても生活は成立します。
- ハンガーに掛けたまま、そのままクローゼットへ移す
- 下着・靴下は、たたまずに引き出しへ放り込む(カゴを分けるだけ)
- タオルは4つ折りを2回だけ。角を合わせない
「取り込む → しまう」を1動作にすると、③と④が合体します。
干すときにハンガーを使い、そのハンガーごと収納するのが最短です。
仕分けをやめる
色物と白物を分ける、洗濯ネットを使う。これらは工程を増やします。
分けなくていいものは分けない。どうしても分けたいものがあるなら、専用のカゴを1つ足すだけにしてください。
「分ける判断」ではなく「入れるときに決まっている」状態にします。
乾燥機を使う(効きめが大きい)
ドラム式洗濯乾燥機や衣類乾燥機を使うと、②干すと③取り込むの2工程が消えます。
費用はかかりますが(数万円〜十数万円)、家事のなかでは投資効果が大きい部類です。
- ドラム式に買い替える(高いが、洗う〜乾かすが1工程になります)
- 乾燥機を後付けする(設置場所が要ります)
- コインランドリーの乾燥機を使う(たまった日の緊急手段。数百円)
「乾燥機にかけられない服を買わない」と決めると、さらに楽になります。
動き出す合図を決める
工程が減っても、始まらなければ回りません。
行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標を達成しやすくすると報告されています。
「朝、コーヒーを淹れたら洗濯機を回す」 「風呂に入る前に、乾いたものをクローゼットに移す」
「洗濯をする」ではなく、引き金の動作を1つ指定するのがコツです。
回し忘れ・放置への対策
終了に気づかない
- 洗濯機のアラーム音を大きくする
- スマホのタイマーを併用する(洗濯機の音が聞こえない位置なら必須)
- スマホに通知が来る機種なら、その機能を使う
予約タイマーを使う
帰宅時刻に終わるようセットしておくと、放置時間が短くなります。
朝に回して夜まで放置、が防げます。
1日1回に固定する
毎日回すと、たまる量が減って、1回あたりが軽くなります。
「たまってから一気に」は、いちばんつらいやり方です。量が多いほど干す工程が長くなり、止まりやすくなります。
洗剤を切らさない
まとめ買いして、ストックの場所を決めてください。切れた日に止まります。
自動投入機能のある洗濯機なら、補充は月1回で済みます。
それでも回らないとき
服を増やす
洗濯が3日に1回でも回るように、下着と靴下を多めに持つ。
数千円で、回転の余裕が買えます。服を増やすのは、だらしないことではありません。
家事代行を使う
週1回だけでも、リセットが入ると立て直しやすくなります。
同居人と分担を変える
「洗濯全部」ではなく、工程単位で分けるのがおすすめです。
「回すのは自分、干すのは相手」「取り込むのは自分、たたむのは相手」。得意・不得意で分けると、うまくいきやすいです。
クリーニングと宅配を使う
シャツや制服だけ宅配クリーニングに出す、という手もあります。全部を自分でやる必要はありません。
何週間も止まっているなら、コインランドリーに全部持っていくか、家事代行を1回頼んでください。1〜2時間、数千円で片づきます。
一度リセットできると、続きが回りやすくなります。
干し方の工夫
部屋干しにする
天気を気にしなくて済むので、判断が1つ減ります。
除湿機かサーキュレーターがあると、においも抑えられます。
干す場所を近くにする
洗濯機から干す場所までが遠いと、その移動で止まります。できるだけ近くにしてください。
ピンチハンガーを使いすぎない
小物を1つずつ留めるのは、工程が多い作業です。
靴下は片方ずつ留めず、まとめて洗濯ネットに入れて乾燥機が最短です。
洗濯物がたまっていく人へ/「たたむ」をやめる
「たたむ」をやめる
洗濯が止まる原因の多くは、たたむ工程です。
たたむのをやめると、洗濯は「洗う→干す→掛ける」の3工程になります。
ハンガーのまま収納する
干したハンガーを、そのままクローゼットに移す。たたむ工程がゼロになります。
- Tシャツ、シャツ、パンツ、上着 → 全部ハンガーでいけます
- ハンガーを多めに買っておく(100円ショップで十分)
たたまないものはカゴに放り込む
靴下、下着、タオル。たたまずカゴに入れるだけにしてください。
- 人ごと・種類ごとにカゴを分ける
- 放り込むだけなので、続きます
見た目は多少ごちゃつきますが、洗濯が回るほうが大事です。
干す場所を固定する
「どこに干すか」を毎回考えると、そこで止まります。
- 部屋干し用のスタンドを出しっぱなしにする
- 天井に物干しを付ける
- 浴室乾燥を使う
出しっぱなしでいいと決めると、ラクになります。片づける手間もなくなります。
乾燥機を検討する
お金で解決できる部分です。
- 洗濯乾燥機(洗う→乾かすが1回で終わります)
- 衣類乾燥機を追加する
- コインランドリーを使う
「干す」がなくなると、洗濯は「入れる→出す→しまう」だけになります。
高い買い物ですが、毎日の負担が消えるなら、検討する価値があります。
回すタイミングを決める
「たまったら回す」だと、たまるまで回しません。
曜日を決める
- 月・木に回す
- 毎日回す(少量でも回すほうが、山にならなくてラクです)
予約機能を使う
夜のうちにセットして、朝に終わっている状態にします。
起きたら干すだけ。判断が1つ減ります。
干し忘れ対策
洗濯機が終わったら通知が来る機種があります。ないなら、スマホのアラームを洗濯機を回すときにセットしてください。
濡れたまま放置すると、においが出て洗い直しになります。 これで一気にやる気がなくなります。
服の数を調整する
少なすぎると詰む
服が3日分しかないと、回せなかった時点で着るものがなくなります。
下着と靴下は、1週間分以上あると安心です。
多すぎても詰む
一方で、服が多すぎると「まだあるから洗わなくていい」となって、山が大きくなります。
1〜2週間で回せる量が、ちょうどいいところです。
山になってしまったとき
すでに山ができているなら、全部やろうとしないでください。
- 今日は下着と靴下だけ
- 明日はタオルだけ
- 分けて回す
1回で片づけようとすると、始められません。
どうしても手に負えないときは、コインランドリーに全部持っていくという手があります。1〜2時間で終わります。
洗濯物がたまっていく人へ/まず今週、これだけやってみる
まず今週、これだけやってみる
- たたむのをやめる(掛けるか、放り込むだけにする)
- 洗濯機を回す合図を1つ決める(コーヒーを淹れたら、など)
- 下着と靴下を数枚買い足す(回転に余裕を作る)
乾燥機を買えるなら、それがいちばん効きます。 でも、まず0円でできる1と2から試してください。
においが出てしまったとき
濡れたまま放置すると、においが出て洗い直しになります。 ここでやる気がなくなる人が多いです。
- 酸素系の漂白剤を使ってつけおきする
- 60度くらいのお湯につける(素材の表示を確認してください)
- コインランドリーの高温乾燥を使う
一度落とせば、また使えます。 捨てなくて大丈夫です。
洗剤と道具を減らす
種類が多いと、選ぶ手間が増えて止まります。
- 洗剤は1種類でいい
- 柔軟剤は使わなくてもいい
- おしゃれ着洗いが必要な服を、そもそも買わない
「これを入れて回すだけ」の状態にしてください。
ジェルボールタイプにすると、量を測る手間もなくなります。
家族と分担する
一人で全工程をやると、必ずどこかで詰まります。
- 回す人/干す人/しまう人を分ける
- 自分の分は自分でしまう、と決める
- 子どもでも、自分のカゴに入れることはできます
「たたんでしまう」を各自に任せるだけで、負担がかなり減ります。
関連する困りごと
洗濯が回らない背景には、別の困りごとがあることもあります。
- 部屋が散らかる → 部屋がすぐ散らかる人へ
- 掃除が続かない → 掃除がまったく続かない人へ
- 服が多すぎる → ものが捨てられない人へ
- 始められない → 最初の一歩がどうしても踏み出せない人へ
工程を減らすのが、いちばん効きます。
- 始められない → 最初の一歩がどうしても踏み出せない人へ
- 疲れて動けない → 外出したあと2日動けない人へ
毎日やる必要はありません。 週に1〜2回回れば、生活は成り立ちます。
部屋干しのにおい対策
部屋干しでにおいが出ると、洗い直しになって二重に手間がかかります。
- 洗濯物どうしの間隔をあける
- 扇風機かサーキュレーターで風を当てる(これがいちばん効きます)
- 除湿機を使う
- 部屋干し用の洗剤を使う
風を当てるだけで、乾く時間がかなり短くなります。
週に1回でも回れば十分
毎日回そうとすると、続きません。
- 下着と靴下を1週間分以上そろえておく
- 週2回でも生活は回ります
- できない週があってもいい
「毎日やる」を目指すと、崩れたときにやめてしまいます。
まとめ:洗濯を回す5つ
- たたむのをやめて、ハンガーのまま収納する
- 干す場所を出しっぱなしにする
- 夜に予約して、朝に干すだけの状態にする
- 下着と靴下を1週間分以上そろえる
- 山になったら、コインランドリーで一度リセットする
工程を減らすのが、いちばん効きます。
この記事について
作業を切り替えるときには手間がかかることが研究で整理されています。洗濯が4工程あって途中で止まるのは、自然なことです。
行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標を達成しやすくすると報告されています。
整理や計画は、大人のADHDに対する心理的な治療が扱う分野のひとつです。性格の問題ではなく、工夫の対象として扱われています。
そのうえで、「たたむのをやめる」「乾燥機を使う」といった具体策は、研究で効果が確かめられたものではありません。 工程と判断を減らすという原則を、洗濯という場面に当てはめたものです。
家事が回らない状態が続いて生活がつらいときは、一人で抱えないで専門家に相談してください。相談できる場所は相談先・公的窓口にまとめています。
洗濯機の中で2日放置してしまうやつ、あれは怠けではなく工程の詰まりです。詰まる工程を消しましょう。
この記事の出どころ
- 研究で検討
- 論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
研究で検討作業の切り替えについて
(原題:Task switching)
この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。
ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。
研究で検討「もし〜なら〜する」と先に決めておく方法が目標達成に与える効果の研究をまとめた分析
(原題:A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment)
この研究でわかっていること:行動を「場面」と結びつけて決めておく方法に一定の効果があると言えます。
ここはまだ分かっていません:ADHD・ASDだけを対象にした研究ではありません。一般の人向けの知見を当てはめています。
研究で検討大人の注意欠如多動症の認知行動療法(考え方と行動を整える心理的な治療)
この研究でわかっていること:整理・計画・先延ばしを「性格」ではなく介入対象として扱う枠組みを示せます。
ここはまだ分かっていません:レビューであり、個々の生活術の効果量を示すものではありません。
制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。
合わなかったら、別のやり方を試してください
ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。