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在宅勤務だとまったく仕事が進まない人へ

— 家は仕事をするようにできていません

この記事の出どころ
  • 研究で検討
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ポイント

  • 家には「仕事を始める合図」がありません。自分で作る必要があります
  • 場所と時間を分けると、切り替えやすくなります
  • 在宅は働きすぎにもなりやすいので、終わりも決めてください
目次を開く(18項目)
  1. 何がなくなったのか
  2. 【場所を分ける】
  3. 【時間を分ける】
  4. 【気が散るものを減らす】
  5. 【家族がいる場合】
  6. それでも進まないとき
  7. 場所別・時間別の詰まりどころ
  8. 働きすぎに注意する
  9. 家を「仕事する場所」に切り替える
  10. 始めるための仕掛け
  11. 誘惑を物理的に遠ざける
  12. 終わらせる仕掛け
  13. 一人がつらいとき
  14. まず明日、これだけやってみる
  15. よくある質問
  16. 関連する困りごと
  17. まとめ:在宅で進める5つ
  18. この記事について

在宅勤務になった。通勤がなくなってラクになるはずが、まったく仕事が進まない。

気づいたら別のことをしている。逆に、終わる時間が決まらなくて夜まで働いている。

家は、仕事をするようにできていません。


何がなくなったのか

会社にあって、家にないものを並べてみます。

  • 始まりの合図(通勤、席につく、朝礼)
  • 終わりの合図(帰る時間、まわりが帰る)
  • 人の目
  • 仕事だけをする場所
  • 休憩のタイミング(人が動く、昼のチャイム)

このどれもが、切り替えのきっかけになっていました。 なくなったぶん、自分で作る必要があります。


【場所を分ける】

1. 仕事する場所を1か所に決める

ベッドやソファで仕事をすると、どちらのモードにも入れなくなります。

部屋が分けられなくても、「この机では仕事だけ」と決めてください。座っただけで切り替わりやすくなります。

2. 仕事の道具だけを机に置く

私物、趣味のもの、届いた荷物。目に入るものが増えるほど、そっちに気を取られます。

いま使うものだけを机に出してください。くわしくは机に向かっても気が散る人へへ。

3. 背後に壁が来るように置く

目に入るものに部屋全体が入ると、散らかっているものや家事が目に入ります。壁を背にするか、机を壁向きにしてください。

4. 仕切りを作る

段ボールでも、突っ張り棒とカーテンでも構いません。目に入る範囲を区切るだけで、集中しやすくなる人がいます。

5. 環境を整える

  • 椅子(長時間座るので、ここは投資する価値があります)
  • モニター(ノートパソコンだけだと姿勢が悪くなります)
  • 照明(手元が暗いと疲れます)

椅子は特に効きます。 腰が痛いと、それだけで集中できません。


【時間を分ける】

6. 始まりの合図を作る

通勤の代わりになるものを、1つ決めてください。

  • 服を着替える(部屋着のままだと切り替わりません)
  • 一度外に出て、5分歩いて戻る
  • コーヒーを淹れる
  • 決まった音楽をかける

「これをやったら仕事」という動作を1つ決めるだけです。行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標達成の研究でも支持されています。

7. 終わりの合図を作る

在宅は、終わりが決まらないのが最大の落とし穴です。

  • パソコンを閉じて、片づける
  • 「終わり」と声に出す
  • 決まった時間に散歩に出る
  • 家族に「終わった」と言う

終わりを決めないと、一日中うっすら仕事のことを考えることになります。

8. 休憩を時刻で決める

会社では、まわりが動くのを見て休憩していました。家では誰も動きません。

アラームで区切ってください。 短い休憩には、活力を高めて疲れを減らす効果があると報告されています。

9. 昼休みは家から出る

家の中で昼を過ごすと、切り替わりません。5分でも外に出ると、午後が違います。


【気が散るものを減らす】

10. スマホを別の部屋に置く

家では誰も見ていないので、いくらでも触れます。物理的に離してください。

くわしくは作業中につい スマホを触ってしまう人へへ。

11. 家事を目に入るものから消す

洗い物、洗濯物、床のもの。目に入ると気になります。

  • 朝のうちに片づける
  • 見えない位置に机を置く
  • 「仕事中は家事をしない」と決める

家事を挟むと、そのたびに切り替えが起きます。 切り替えには手間がかかることが研究で整理されています。

12. テレビをつけない

「ながら」でできる仕事は、実はほとんどありません。


【家族がいる場合】

13. ルールを決めておく

  • ドアが閉まっているときは話しかけない
  • ヘッドホンをしているときは仕事中
  • この時間帯は集中している、とカレンダーを共有する

言わないと伝わりません。 「集中しているときに話しかけられると、戻るのに15分かかる」と具体的に説明してください。

14. 場所を確保する

部屋がないなら、時間で分けるという手もあります。「午前は自分がリビングを使う」など。

15. 逃げ場を作る

家で無理なら、外で働く選択もあります。カフェ、図書館、コワーキングスペース。

在宅=家、と決まっているわけではありません。 会社に確認したうえで、場所を変えてみてください。


同居している人がいると、割り込みが増えます。

  • 「この時間は仕事」と先に伝える
  • ドアを閉める、札を出す
  • 終わる時刻も伝えておく(終わりが分かると、相手も待てます

先に言っておくほうが、お互い気を使わずに済みます。

くわしくは話しかけられると作業が飛ぶ人へへ。

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在宅勤務だとまったく仕事が進まない人へ/それでも進まないとき

それでも進まないとき

誰かと一緒に作業する

ビデオ通話をつないだまま、それぞれ作業する方法があります。人の気配があるだけで進む人がいます。

くわしくは一人だとまったく進まない人へへ。

出社できないか相談する

在宅が合わない人もいます。 これは能力の問題ではなく、環境の相性です。

「週に何日か出社したい」と相談してみてください。逆の相談(在宅を増やしたい)と同じくらい、正当な希望です。

進捗を人に報告する

一日の終わりに「今日やったこと」を3行送る。それだけで、区切りができて進みやすくなることがあります。


場所別・時間別の詰まりどころ

朝、始められない

通勤という「始まりの合図」がないので、いつまでも始まりません。

着替える、外を5分歩く、決まった音楽をかける。 何か1つ、儀式を作ってください。

朝そのものが起きられないなら朝どうしても起きられない人へへ。

昼、だらけてしまう

昼食のあとは誰でも眠くなります。判断の要らない作業(整理、入力、片づけ)をここに置くと合います。

夕方、終われない

いちばん多い問題です。終業時刻にアラームをかけて、パソコンを閉じてください。

「終わり」の合図がないと、一日中うっすら仕事のことを考えることになります。

夜、また始めてしまう

「あとちょっとだけ」で夜まで働くと、翌日に響きます。

パソコンを片づける、仕事部屋を閉める、決まった時間に散歩に出る。 物理的に区切ってください。


働きすぎに注意する

在宅で困るのは「進まない」だけではありません。終わらなくなるほうも問題です。

  • 通勤時間がないぶん、早く始めて遅く終わる
  • 休憩を取らない
  • 食事を飛ばす
  • 一日中、家から出ない

気づいたら10時間働いていたということが起きます。

  • 終業時刻にアラームをかける
  • パソコンを片づける
  • 一日1回は外に出る

疲れに気づきにくい人は気づいたら限界になっている人へも見てみてください。


家を「仕事する場所」に切り替える

家は寝る・食べる・休む場所として体が覚えています。そこに仕事を混ぜると、どちらもうまくいきません。

場所を分ける

いちばん確実なのは、仕事する場所とくつろぐ場所を物理的に分けることです。

  • 仕事は机、休憩はソファ
  • ベッドの上で仕事をしない(寝る場所で仕事をすると、夜も眠りにくくなります
  • 部屋を分けられないなら、机の向きを変えるだけでもいい

服を着替える

パジャマのままだと、体が仕事モードになりません。

外に出られる服に着替える。 これだけで変わる人がかなりいます。

「通勤」を作る

家を出て、5分歩いて帰ってくる。それだけで区切りになります。

  • コンビニまで行って帰る
  • ベランダに出る
  • 一度玄関から出て入り直す

バカバカしく見えますが、効く人には効きます。


始めるための仕掛け

開始時刻を人と共有する

チャットで「今から始めます」と送る。誰かに宣言すると、始まります。

一人でやっているなら、家族に言うだけでもいいです。

最初の作業を前の日に決めておく

朝いちばんに「何をやろう」と考えると、そこで止まります。

前の晩に、明日の1つめだけ決めておいてください。

5分だけやる

始められないときは、5分だけと決めて始める

たいていの場合、5分たつと続けられます。続けられない日は、それでいいです。

くわしくは最初の一歩がどうしても踏み出せない人へへ。


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在宅勤務だとまったく仕事が進まない人へ/誘惑を物理的に遠ざける

誘惑を物理的に遠ざける

意志で我慢するのは無理です。距離を作ってください。

  • スマホは別の部屋、または引き出しの中
  • テレビのリモコンを別室に置く
  • ゲーム機のコントローラーを箱に入れる
  • 冷蔵庫の前に立たない(作業場所を台所から離す)

気づくとスマホを触っている人へもご覧ください。

ブラウザを分ける

仕事用と私用でブラウザを分けると、タブを開いた瞬間にSNSが目に入るのを防げます。


終わらせる仕掛け

在宅で本当に危ないのは、終われないことのほうかもしれません。

  • 終業時刻にアラームをかける
  • パソコンを閉じて、見えない場所にしまう
  • 「今日は終わり」とチャットに書く
  • 夕方に予定を1つ入れる(買い物、散歩、家族との約束)

終わりを決めないと、だらだら続いて、休んだ気もしないまま夜になります。

気づいたら5時間たっている人へもご覧ください。


一人がつらいとき

在宅で孤立すると、気持ちが落ちてきます。

効率の問題ではなく、続けられるかどうかの問題です。


まず明日、これだけやってみる

  1. 始まりの合図と終わりの合図を、1つずつ決める
  2. スマホを別の部屋に置く
  3. 昼休みに5分だけ外に出る

環境を変えるほうが、気合いを入れるより早いです。


よくある質問

家族が在宅だと集中できません

時間を先に伝えてください。 「この2時間は仕事」「◯時には終わる」。

終わる時刻まで言っておくと、相手も待てます。

昼寝してしまいます

寝る場所と仕事する場所を分けてください。 ベッドやソファの近くで作業しないだけで、かなり変わります。

どうしても眠いなら、15分だけタイマーをかけて寝るほうが、だらだら眠るより回復します。

出社したほうが進むのですが

それも1つの答えです。 週に何日か出社する、カフェやコワーキングを使う、という選び方もあります。

「在宅で進むようにする」ことが目的ではありません。進む形を選べばいいです。


関連する困りごと


まとめ:在宅で進める5つ

  1. 仕事する場所と、くつろぐ場所を分ける
  2. 外に出られる服に着替える
  3. 開始を人に宣言する
  4. スマホを別の部屋に置く
  5. 終業時刻にアラームをかけて、パソコンを閉じる

始める工夫と、終わる工夫の両方が要ります。


この記事について

作業を切り替えるときには手間がかかることが研究で整理されています。家事や私生活のものが目に入るたびに頭が切りかわるので、家はもともとやりにくい場所です。

職場の働きやすさに物理的な環境が関わることは、自閉スペクトラム症のある人への調査で報告されています。これは家でも同じです。

行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標を達成しやすくすると報告されています。「服を着替えたら仕事を始める」といった合図は、この考え方です。

短い休憩については、活力を高めて疲れを減らすことがたくさんの研究をまとめた分析で報告されています。

そのうえで、ここに書いた具体的なやり方は、研究で確かめられたものではありません。 合うものだけ使ってください。

在宅でも出社でも仕事が回らない状態が続くときは、一人で抱えないで専門家に相談してください。相談できる場所は相談先・公的窓口にまとめています。

とら先生のひとこと

通勤って、実は「仕事モードに切り替える儀式」でもあったんですよね。それがなくなると、切り替えを自分でやらないといけません。

この記事の出どころ

研究で検討
論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
  1. 研究で検討作業の切り替えについて

    (原題:Task switching)

    Monsell S/2003/Trends in Cognitive Sciences 7(3), 134–140(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。

  2. 研究で検討「車いすの人にとってのスロープのようなもの」:自閉スペクトラム症のある従業員にとっての職場の使いやすさ

    (原題:"It’s like a ramp for a person in a wheelchair": Workplace accessibility for employees with autism)

    Waisman-Nitzan M, Gal E, Schreuer N/2021/Research in Developmental Disabilities 114, 103959(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:物理環境・手順・人の3つが働きやすさを左右すると整理できます。

    ここはまだ分かっていません:聞き取りをもとにした研究であり、配慮の効果量を示すものではありません。

  3. 研究で検討「もし〜なら〜する」と先に決めておく方法が目標達成に与える効果の研究をまとめた分析

    (原題:A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment)

    Wang G, Wang Y, Gai X/2021/Frontiers in Psychology 12, 565202(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:行動を「場面」と結びつけて決めておく方法に一定の効果があると言えます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASDだけを対象にした研究ではありません。一般の人向けの知見を当てはめています。

  4. 研究で検討「休ませて!」:短い休憩の効果についてのたくさんの研究をまとめた分析と研究をまとめた分析

    (原題:"Give me a break!" A systematic review and meta-analysis on the efficacy of micro-breaks)

    Albulescu P, et al./2022/PLOS ONE 17(8), e0272460(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:短い休憩は疲れにくさに効くと言えます。休憩は長いほど成績への効果が大きい傾向も報告されています。

    ここはまだ分かっていません:「休憩をはさめば成績が上がる」とは言えません。ADHD・ASDを対象にした研究でもありません。

制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。

合わなかったら、別のやり方を試してください

ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。