会議に毎回ちょっと遅れる人へ|移動を予定に入れる
— 「あと10分ある」で作業を続けてしまう人へ
ポイント
- 会議に遅れる原因の多くは「移動と切り替え」が予定に入っていないこと
- 作業をやめる合図を、会議の開始時刻ではなく移動開始時刻に置く
- オンライン会議は移動がないぶん、切り替えの遅れがそのまま遅刻になる
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会議の時間は知っている。カレンダーにも入っている。それでも数分遅れて入室してしまう。
原因は、たいてい移動と切り替えの時間が予定に入っていないことです。
「やめる合図」を移動開始に置く
アラームを鳴らすなら、会議の5分前ではなく移動開始の時刻に鳴らします。そしてアラームのラベルは「会議」ではなく、「席を立つ」という動作にします。
「もし〜したら〜する」と先に決めておくやり方は、目標を達成しやすくすると報告されています。鳴った瞬間に何をするかを、考えずに済むようにするのが狙いです。
中断のコストを下げておく
作業をやめられないのは、やめると失うものがあるからでもあります。中断のコストを下げておくと、立ち上がりやすくなります。
- 書きかけの文の途中でやめる。 きりのいいところまでやろうとすると、必ず伸びます。中途半端なほうが、戻ったときに再開しやすいという面もあります
- 「次にやること」を1行メモしてから立つ。 戻ったときに思い出す手間が消えます
- 画面をそのままにしておく。 保存だけして閉じない
注意の切り替えにコストがかかることは、研究のまとめで整理されています。中断が苦手なのは、あなただけの問題ではありません。
オンライン会議のほうが遅れやすい
移動がないぶん油断します。「クリックすれば入れる」と思っていると、直前まで作業を続けます。そして、
- 接続が不安定
- カメラ・マイクの設定が変わっている
- 会議URLが見つからない
これで3分溶けます。
オンラインでも「5分前に入室する」を予定に入れてください。早く入って待つほうが、遅れるより圧倒的に楽です。
URLを探す時間をなくす
会議のURLは、カレンダーの予定に貼っておいてください。メールを探すところから始めると、それだけで3分かかります。
移動がない分、直前まで別のことをして遅れるというパターンが起きます。
- 5分前にリンクを開いておく
- カメラとマイクを事前に確認する
- 前の作業を閉じてから入る(画面共有の事故も防げます)
リンクが見つからない
これで遅れる人がかなりいます。カレンダーの予定に、必ずリンクを貼っておいてください。
過集中で気づけないとき
作業に入り込んでいて通知に気づかない場合は、別の対策が要ります。
音だけでなく、画面を覆うタイプの通知や、物理的なタイマーの併用が効くことがあります。
くわしくはやり始めると止まれない人へへ。
それでも遅れたとき
- 入室したら、まず一言。 「遅れて失礼しました」だけでいい。長い説明は会議を止めます
- 理由を毎回言わない。 毎回言い訳が並ぶと、そちらのほうが印象に残ります
- 3回続いたら仕組みを変える。 同じ会議で繰り返すなら、その会議の前の時間帯に別の予定を入れないようにする
「申し訳ありません、5分ほど遅れます。先に始めてください。」
「先に始めてください」を入れると、相手が止まらずに済みます。
チャットで送れば、会議中でも読んでもらえます。
「開始時刻」だけを見ていると必ず遅れる
14時開始の会議を「14時」として覚えていると、13時55分まで作業を続けてしまいます。
でも実際には、14時に着席するには次の工程が必要です。
| 工程 | 時間 |
|---|---|
| いまの作業を中断できる状態にする | 2〜5分 |
| 必要な資料を用意する | 2〜5分 |
| トイレ・飲み物 | 3分 |
| 移動 | 3〜10分 |
| 接続・着席 | 2分 |
合計12〜25分です。これが予定に入っていないと、間に合いません。
場面別
社内の定例会議
繰り返し予定に「移動」も一緒に登録しておくと、毎回設定しなくて済みます。
社外への訪問
移動時間の見積もりがいちばん外れます。乗り換え時間、駅から現地までの徒歩、受付での待ち時間を全部足してください。
30分早く着く前提で組むと安全です。早く着いたときの過ごし方(カフェ、コンビニ)を決めておくと、早く出やすくなります。
病院・役所
遅刻すると受けられないことがあります。予約時刻の30分前に着く前提で組んでください。
前の予定が押しているとき
前の会議が延びると、次に遅れます。予定と予定のあいだに15分空けておいてください。
昼休みのあとの会議
昼食から戻る時間を見誤りがちです。外に食べに行く日は、特に注意してください。
会議に毎回ちょっと遅れる人へ/移動時間を予定に入れる
移動時間を予定に入れる
会議に間に合わない原因の多くは、移動を計算に入れていないことです。
- 会議室までの移動
- 前の会議が延びる
- トイレ
- 資料を印刷する
会議と会議のあいだに、15分の「移動」という予定を入れてください。
カレンダーが空いていると、そこに別の予定が入ります。埋めておくのが防御です。
くわしくは予定を詰め込みすぎる人へへ。
14時の会議なら、13時40分から「移動」という予定を入れます。会議の予定そのものを13時40分開始に書き換えてもかまいません。
これだけで、13時40分に通知が来て、その時点で立ち上がれます。
定例会議なら繰り返し予定に入れる
毎週ある会議なら、「移動」も繰り返し予定として登録しておくと、毎回設定しなくて済みます。
通知を2段構えにする
- 30分前:準備を始める(資料を出す、印刷する)
- 10分前:席を立つ
通知の名前を、「会議」ではなく「立ち上がる」にしてください。
鳴った瞬間に何をするか決まっていないと、止めて終わります。
前の作業から抜けられないとき
会議に遅れる人の多くは、前の作業を止められないのが原因です。
- キリのいいところを探さない(キリのいいところは来ません)
- 途中で止めて、1行メモを残す
- 「戻ったらここから」と書いておけば、続きから始められます
くわしくは気づいたら5時間たっている人へへ。
会議そのものを減らす
出る必要のない会議に出ていないか、見直す価値があります。
「議事録をいただければ、今回は失礼してもよいでしょうか。」
会議の数が減れば、遅れる回数も減ります。
準備を前に寄せる
会議に遅れる原因は、開始直前にやることが多すぎることです。
- 資料は前日に印刷しておく
- 会議室の場所を前日に確認する
- 参加リンクをカレンダーに貼っておく
- 持っていくものを机の端に出しておく
直前にやることをゼロにすると、席を立つだけで済みます。
遅れる連絡の型
「申し訳ありません、5分ほど遅れます。先に始めてください。」
「先に始めてください」を入れると、相手が止まらずに済みます。
「遅れます」だけだと、相手は待ち方を決められません。必ず何分か入れてください。
とっさに書けないなら、スマホのメモに定型文を入れておくと、コピーして送るだけになります。
通知の設定を見直す
デフォルトの「10分前」だけでは、間に合わないことがほとんどです。
- 30分前:準備を始める合図
- 10分前:席を立つ合図
2つ入れてください。 1つだと、気づかなかった時点で終わりです。
名前を動作にする
「◯◯打ち合わせ」ではなく、「立ち上がる」。
鳴った瞬間に何をするか決まっていないと、止めて終わります。
くわしくはタイマーをうまく使えない人へへ。
会議に毎回ちょっと遅れる人へ/移動時間を正しく見る
移動時間を正しく見る
乗り換え案内の時間は、駅から駅までです。
実際には、
- 家から駅まで(信号待ち含む)
- 駅の中の移動
- 駅から目的地まで
- 建物の中の移動(受付、エレベーター)
これを足すと、表示より10〜20分長くなります。
初めての場所は、さらに30分見てください。入口が分からない、受付で待つ。必ず何か起きます。
くわしくは「15分で終わる」が毎回1時間かかる人へへ。
会議が続く日の組み方
会議と会議が連続していると、1つ遅れると全部が遅れます。
- 会議のあいだに15分の空白を入れる
- 午前に3本入れない
- 移動が必要な会議は、同じ場所でまとめる
予定が空いていると、そこに会議が入ります。 「移動」「準備」という予定で埋めておくのが防御です。
くわしくは予定を詰め込みすぎる人へへ。
場所と入口を先に確認する
初めての場所は、入口が分からずに10分溶けます。
- 前日に地図で建物の入口を見ておく
- 受付の場所、階数を控えておく
- 「◯番出口から徒歩5分」まで確認しておく
当日にスマホで調べ始めると、必ず遅れます。
オンラインなら接続を先に確認
- カメラとマイクが動くか
- そのアプリにログインできるか
- 招待リンクが有効か
初めて使うツールは、前日に一度開いておいてください。
予定が急に変わったとき
会議の時間が変わったのに、カレンダーを直し忘れて遅れる。よくあるパターンです。
- 変更の連絡が来たら、その場でカレンダーを直す
- 直してから返信する
「あとで直そう」は、直りません。
遅刻が続いてしまうとき
同じ会議に何度も遅れているなら、その会議の時間設定そのものに無理がある可能性があります。
- 前の予定と連続していないか
- 移動時間が足りていないか
- 開始時刻を15分ずらせないか
相談すれば変えられることがあります。 我慢して遅れ続けるより、一度言ってみるほうが早いです。
伝え方は職場に「これがつらい」と言えない人へへ。
まとめ:遅れないための5つ
- 会議と会議のあいだに15分の「移動」を予定として入れる
- 通知を30分前と10分前の2つにする
- 通知の名前を「立ち上がる」にする
- 資料とリンクは前日に用意しておく
- 遅れるときは、何分遅れるかを必ず入れて連絡する
1つずつ足してください。 いちばん効くのは1番です。
まず次の会議で、これだけやってみる
- 10分前のアラームをかけて、名前を「立ち上がる」にする
- 会議と会議のあいだに、15分の「移動」を予定として入れる
- 席を立つ前に、途中の作業を1行メモする
関連する困りごと
- 遅刻が続く → 何度も遅刻してしまう人へ
- 朝が起きられない → 毎朝ぎりぎりで起きられない人へ
- 会議の内容が入らない → 会議で話を聞き漏らす人へ
- 予定が多すぎる → 予定を詰め込みすぎる人へ
よくある失敗と対策
| 失敗 | 対策 |
|---|---|
| 前の作業が終わらない | キリを探さず、1行メモを残して立つ |
| 移動時間を忘れていた | 「移動」を予定として入れる |
| 会議室が分からない | 前日に場所と入口を確認する |
| リンクが見つからない | カレンダーの予定に貼っておく |
| 通知に気づかなかった | 30分前と10分前の2段構えにする |
この記事について
成人ADHDにおける時間の感じ方のズレは、研究をまとめたレビューで整理されています。「あと10分ある」が15分になるのは、意識の問題ではありません。
作業を切り替えるときには手間がかかることも研究で整理されています。中断が苦手なのは、あなただけの問題ではありません。
行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標を達成しやすくすると報告されています。
そのうえで、「移動を別予定にする」「5分前に入室する」といった具体的なやり方は、研究で確かめられたものではありません。
「あと10分あるからこれだけ終わらせよう」——この10分が15分になるのが、遅刻のほぼ全部です。10分あったら、もう立ちましょう。
この記事の出どころ
- 研究で検討
- 論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
研究で検討成人ADHDの時間の感じ方:この10年の研究のまとめ
(原題:Time Perception in Adult ADHD: Findings from a Decade—A Review)
この研究でわかっていること:時間の見積もりや体感にズレが出やすいことを、性格ではなく認知の特徴として説明できます。
ここはまだ分かっていません:特定のタイマー法・時計の効果を直接調べたものではありません。
研究で検討作業の切り替えについて
(原題:Task switching)
この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。
ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。
研究で検討「もし〜なら〜する」と先に決めておく方法が目標達成に与える効果の研究をまとめた分析
(原題:A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment)
この研究でわかっていること:行動を「場面」と結びつけて決めておく方法に一定の効果があると言えます。
ここはまだ分かっていません:ADHD・ASDだけを対象にした研究ではありません。一般の人向けの知見を当てはめています。
制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。
合わなかったら、別のやり方を試してください
ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。