はたらく 💻 仕事中 先延ばしタスク管理仕事

大きい仕事を前に固まってしまう人へ|タスクの割り方

— 手が付かないのは、割り方が足りていないからです

この記事の出どころ
  • 研究で検討
出典を見る
画像枠/img/banner/task-bunkai.webp1200×675px(@2x で 2400×1350px)「大きい仕事を前に固まってしまう人へ」の記事バナー。手が付かないのは、割り方が足りていないからです

ポイント

  • 手が付かないタスクは、たいてい「1つのタスク」ではなく複数の工程の束です
  • 1項目が1時間以内で終わる大きさまで割ると、着手できるようになります
  • 割りすぎると管理そのものが仕事になります。1タスク10項目までが目安です
目次を開く(17項目)
  1. 重いタスクは「束」になっている
  2. 【基準】1項目1時間以内
  3. 割るときの5つのコツ
  4. 割りすぎない
  5. 種類別|こう割る
  6. 終わったら消す
  7. リストが増えすぎたとき
  8. 分け方のコツ
  9. 分けても動けないとき
  10. 大きな仕事の場合
  11. 人に手伝ってもらう
  12. まず今日、これだけやってみる
  13. 分けたものを置く場所
  14. 関連する困りごと
  15. まとめ:手をつけるための5つ
  16. よくある質問
  17. この記事について

タスクリストに「企画書を作る」と書いてある。1週間動いていない。

見るたびに気が重くなって、そのうち見なくなる。そして締め切りが来ます。

これは意欲の問題ではなく、書き方の問題であることが多いです。


重いタスクは「束」になっている

「企画書を作る」を分解すると、こうなります。

  1. 前回の企画書を探して開く
  2. 今回の要件をメールから拾う
  3. 構成を5行で書く
  4. 必要なデータを集める
  5. 本文を書く
  6. 上司に見せる
  7. 修正する

7つの別々の作業です。 しかもそれぞれ性質が違います。1と2は探す作業、3は考える作業、5は書く作業、6は人と話す作業。

リストに「企画書を作る」とだけ書いてあると、着手するたびに「どこから手を付けるか」を判断する必要があります。

判断のたびに手間がかかることは研究で整理されています。判断が重いと、いちばん楽な選択(=あとにする)が選ばれます。


【基準】1項目1時間以内

目安はこれです。1項目が1時間以内で終わらないなら、まだ割り足りません。

理由は2つあります。

  • 1時間以内なら、空き時間に差し込める。 2時間かかるものは、まとまった時間が空くまで始められません
  • 終わりが見える。 終わりが見えると、始められます

ただし所要時間の見積もりはずれやすいので、「1時間以内だと思うもの」は実際には1.5時間かかると考えてください。

くわしくは「15分で終わる」が毎回1時間かかる人へへ。


割るときの5つのコツ

1. 動詞で書く

「資料」ではなく「資料を3つ探す」。何をするかが動作として分かるまで書きます。

名詞で終わっているものは、まだタスクになっていません。

2. 最初の1つは極端に小さくする

リストの最初の項目は、5分で終わるものにしてください。

  • 「フォルダを作る」
  • 「前回のファイルを開く」
  • 「宛名だけ書く」
  • 「タイトルだけ決める」

始めることが目的なので、内容は何でもいいです。

3. 「調べる」を独立させる

分からないことがあるまま進めようとすると、そこで止まります。

「◯◯を調べる」「◯◯さんに聞く」を独立した項目にしてください。

4. 人に依存する項目を最初に置く

「上司に確認する」「先方に問い合わせる」。相手の返事待ちになる項目は、早く出すほど全体が早く終わります。

自分で完結する作業を先にやって、最後に確認を出すと、そこで待ち時間が発生します。逆にしてください。

5. 「見せる」を途中に入れる

全部作ってから見せると、方向がずれていたときの手戻りが大きくなります。

3割できたところで見せる項目を、リストに入れておいてください。


割りすぎない

細かくしすぎると、リストの管理そのものが仕事になります。

  • 1つのタスクを10項目以上に割らない
  • チェックを付ける作業に時間を使わない
  • リストは1画面に収まる量にする

割った項目を全部カレンダーに入れる必要もありません。着手日を決めるのは、最初の1〜2項目だけで十分です。

3階層以上にしない

「大項目 → 中項目 → 小項目 → さらに細目」とやり始めると、構造を作るのが目的になってしまいます。

2階層まで。それ以上は要りません。


/img/inline/task-bunkai-1.webp 1200×400px(3:1)

大きい仕事を前に固まってしまう人へ/種類別|こう割る

種類別|こう割る

資料・文書を作る

  1. 前回のものか、参考になるものを開く
  2. 構成を5行で書く
  3. 中身を埋める(ここは分量で割る:1章ずつなど)
  4. 見直す
  5. 出す

「構成を5行で書く」が最重要です。ここができれば、あとは埋めるだけになります。

手続き・申請

  1. 必要な書類を調べる
  2. 書類を1か所に集める
  3. 書けるところだけ書く
  4. 分からないところを窓口に聞く
  5. 出す

「書けるところだけ書く」を独立させるのがポイントです。全部埋めようとすると止まります。

片づけ

  1. ゴミだけ拾う
  2. 床のものだけ拾う
  3. 分ける(3つの箱に)
  4. 捨てる
  5. しまう

くわしくは部屋が片づかない人へへ。

勉強

  1. テキストを机に出す
  2. 目次を見て、今日やる範囲を決める
  3. 1ページやる
  4. 問題を1問解く

「今日やる範囲を決める」を前の日にやっておくと、当日がラクです。

引っ越し・大掃除など大きいもの

日付で割るのが現実的です。「今日は台所だけ」「土曜は本棚だけ」。

全部を1日でやろうとすると、確実に途中で終わります。


終わったら消す

進んでいる実感が持てないと続きません。終わった項目は消すか、取り消し線を引いてください。

紙に書いている場合は、線を引くのが視覚的にいちばん効きます。消すと、やった量が見えなくなります。

デジタルなら、完了済みを非表示にせず、しばらく見えるようにしておくと進捗が分かります。


リストが増えすぎたとき

割ると項目が増えるので、リストが長くなります。長いリストは、それだけで気が重くなります。

  • 今日やる3つだけを別の紙に書く
  • 残りはしまう
  • 3つ終わったら、また3つ選ぶ

選び方は優先順位がつけられない人へにまとめました。


分け方のコツ

「2分でできること」まで小さくする

大きすぎると手がつきません。2分以内でできることまで割ってください。

大きすぎる分けたあと
部屋を片づける床のものを3つ拾う
資料を作るパワーポイントを開く
病院に行く電話番号を調べる
確定申告をする封筒を開ける

「そんなの意味あるの」と思うくらい小さくていいです。

動詞で書く

「資料」ではなく「資料のファイルを開く」。

体がどう動くか分かる言葉にしてください。名詞だけだと、動けません。

最初の1つだけ決める

全部分けなくていいです。最初の1つが分かれば、始められます。

始めれば、次が見えます。


分けても動けないとき

そもそも情報が足りない

「何をすればいいか分からない」なら、分ける前に聞いてください。

「これはどこまでやれば完了ですか。」

くわしくは「なるはやで」と言われて動けない人へへ。

気が重い

気が重いタスクは、さらに小さくしてください。

  • 電話するのが嫌 → 電話番号を調べるだけ
  • 書類を書くのが嫌 → 封筒を開けるだけ

「今日はここまで」で終わっていいです。

完璧にやろうとしている

「ちゃんとやらなきゃ」と思うほど、始められなくなります。

下書きでいい。あとで直せばいい。

くわしくは最初の一歩がどうしても踏み出せない人へへ。


/img/inline/task-bunkai-2.webp 1200×400px(3:1)

大きい仕事を前に固まってしまう人へ/大きな仕事の場合

大きな仕事の場合

締め切りから逆算する

  • 提出日
  • その3日前に「見直す」
  • その1週間前に「一通り書く」
  • その1週間前に「材料を集める」

カレンダーに、この日付を全部入れてください。

締め切り日だけ入れると、その日に間に合いません。

くわしくは締め切りをいつも守れない人へへ。

途中で止めるときは1行残す

「次:3章の続きから」

これがあると、次に開いたときにゼロから思い出さずに済みます。


人に手伝ってもらう

分けること自体が難しいときは、人に聞いてしまうのが速いです。

「これ、最初に何からやればいいですか。」

5秒で答えが返ってくることがあります。一人で30分悩むより、ずっと速いです。


分けること自体が難しいときは、人に聞いてしまうのが速いです。

「これ、最初に何からやればいいですか。」

5秒で答えが返ってくることがあります。一人で30分悩むより、ずっと速いです。

まず今日、これだけやってみる

  1. いちばん重いタスクを1つ選ぶ
  2. それを5〜7個の作業に割って、紙に書く
  3. 最初の1つを、5分で終わる大きさにして、いまやる

割るのに15分かけても構いません。 1週間動かなかったものが動き出すなら、安いものです。


分けたものを置く場所

分けたら、目に入る場所に置いてください。

  • 付箋に1つずつ書いて、机に貼る
  • 紙に書いて、モニターの横に
  • アプリのリストに入れる

終わったら消す動作が、次に進む合図になります。

1日3つまで

分けると数が増えます。その日にやるのは3つまで。

残りは「今週」「いつか」に分けて、見えない場所へ。

くわしくは何から手をつければいいか分からない人へへ。


分けたものは、目に入る場所に置いてください。

  • 付箋に1つずつ書いて、机に貼る
  • 紙に書いて、モニターの横に
  • アプリのリスト

終わったら消す動作が、次に進む合図になります。

関連する困りごと

「そんなの意味あるの」と思うくらい小さくていいです。

やる気は、始めたあとに出てきます。 待たなくていいです。


まとめ:手をつけるための5つ

  1. 2分でできることまで小さくする
  2. 動詞で書く(「資料」ではなく「ファイルを開く」)
  3. 最初の1つだけ決めれば、始められる
  4. 1日にやるのは3つまで
  5. 分けられないときは、人に聞く

下書きでいいです。あとで直せます。


よくある質問

割るのに時間がかかります

最初の1つだけ決めればいいです。 全部割らなくて構いません。

始めれば、次が見えてきます。

小さくしても動けません

さらに小さくしてください。「封筒を開ける」「ファイルを開く」まで小さくしていいです。

それでも動けないなら、疲れているか、情報が足りていない可能性があります。

リストが長くなりすぎました

「今日やる」「今週やる」「いつか」に分けて、「いつか」は見えない場所に置いてください。

消さなくていいです。隠すだけで効きます。


この記事について

成人ADHDに対して、時間の使い方や整理・計画のスキルを練習する方法を調べた研究では、うっかりしやすさの改善が報告されています。整理と計画は、大人のADHDに対する心理的な治療が扱う分野のひとつでもあります。

タスクの割り方は、性格ではなく工夫の対象として扱われている、ということです。

行動をきっかけと結びつけて先に決めておく方法は、目標を達成しやすくすると報告されています。「最初の動作」を決めるのは、この考え方です。

作業を切り替えるときには手間がかかることも研究で整理されています。「どこから手を付けるか」を毎回考えるのが重いのは、自然なことです。

そのうえで、「1項目1時間以内」「10項目まで」といった具体的な数字を検証した研究はありません。目安として扱ってください。

仕事が回らない状態が続くときは、一人で抱えないで専門家に相談してください。相談できる場所は相談先・公的窓口にまとめています。

とら先生のひとこと

「確定申告」はタスクじゃありません。あれは十数個の作業の総称です。総称のままリストに書いても、絶対に動けません。

この記事の出どころ

研究で検討
論文で調べられている内容です。ただし、どんな人を対象にした研究かは記事ごとにちがいます。
  1. 研究で検討成人ADHDに対するメタ認知療法の効果

    (原題:Efficacy of Meta-Cognitive Therapy for Adult ADHD)

    Solanto MV, et al./2010/American Journal of Psychiatry 167(8), 958–968(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:時間管理・整理・計画のスキルの練習が成人ADHDのうっかりしやすさを減らしうると言えます。

    ここはまだ分かっていません:個々の道具(付箋・アプリ等)単独の効果を調べたものではありません。

  2. 研究で検討大人の注意欠如多動症の認知行動療法(考え方と行動を整える心理的な治療)

    中島美鈴/2024/総合病院精神医学 36(3), 200–210(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:整理・計画・先延ばしを「性格」ではなく介入対象として扱う枠組みを示せます。

    ここはまだ分かっていません:レビューであり、個々の生活術の効果量を示すものではありません。

  3. 研究で検討「もし〜なら〜する」と先に決めておく方法が目標達成に与える効果の研究をまとめた分析

    (原題:A Meta-Analysis of the Effects of Mental Contrasting With Implementation Intentions on Goal Attainment)

    Wang G, Wang Y, Gai X/2021/Frontiers in Psychology 12, 565202(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:行動を「場面」と結びつけて決めておく方法に一定の効果があると言えます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASDだけを対象にした研究ではありません。一般の人向けの知見を当てはめています。

  4. 研究で検討作業の切り替えについて

    (原題:Task switching)

    Monsell S/2003/Trends in Cognitive Sciences 7(3), 134–140(2026-08-27 確認)

    この研究でわかっていること:割り込みや並行作業が実際に効率を落とすことを、一般的な認知の性質として説明できます。

    ここはまだ分かっていません:ADHD・ASD固有の研究ではありません。

制度の内容・金額は改定される場合があります。最新の情報は各窓口・公式ページでご確認ください。 出典の考え方は 情報の出どころの見方 にまとめています。

合わなかったら、別のやり方を試してください

ここに書いたことが全員に効くわけではありません。ひとつ試して合わなければ、それは失敗ではなく「自分に合わない方法が1つ分かった」ということです。